
お家に迎えたオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)がやたら噛んでしまうので困っているという飼い主さんは少なくないのではないでしょうか? 仔犬は噛んでしまうものとはいえ、それでは生活するのに困りもの。それに、このまま噛み癖がついてしまったらどうしよう…とこれから成長していく中で、悩みの種にもなりますよね。今回は、ワンちゃんが噛んでしまう理由やその対処法を、ALを販売するレイクウッズラブラドゥードルズのトレーナーである阿久津さんと中野さんに聞いてきました。この記事はニチイ学館社員犬の元担当トレーナーで、自身も10歳のALと暮らす岡野が書いています。
Contents
ワンちゃんは何故噛んでしまうの?4つの理由とワンちゃんの気持ち
ワンちゃんは何故噛んでしまうのでしょうか?ワンちゃんが噛んでしまう理由は4つあります。主に仔犬の頃に現れるものと、成犬になってからも続くものとがあります。
【噛んでしまう理由】
(仔犬)
- 歯がかゆい
(仔犬~成犬)
- 甘噛み ※仔犬に多い
- 本能・習性
- 威嚇・警戒
噛んでしまう時、ワンちゃんがどんな気持ちでいるのかも考えながら1つずつ詳しく見ていきましょう。
1. 歯がかゆいからスッキリしたい
4~6ヶ月齢頃になると、乳歯から永久歯へと歯の抜け変わりが始まります。この時期になると、歯が痒くなるせいで家具などの物を噛むようになります。
この時、ワンちゃんの気持ちとしては
- 歯や歯茎が痒いから何か固い物を噛んでスッキリしたい。
と思っています。
2. 触ってみたい。試してみたいから甘噛み
これは、特に仔犬に多い理由です。人間の赤ちゃんは様々なものを手に取って形や触感を覚えていきます。同じように仔犬も、なんでも口に入れて噛んだり引っ張ったりして、形や触感などを学んでいるのです。
色々なものに興味津々で好奇心が強い仔犬にとって、人の手や足は様々な動きをするので面白くて仕方ありません。
目に見えるものすべてがおもちゃに思えてしまうため、なんでも噛んでしまうのです。
この時、ワンちゃんの気持ちとしては
- 色々な動きをする面白い人の手足を捕まえたい!
- 人の手足は、固すぎず柔らかすぎず噛み心地が良い。
と思っています。
甘噛みは、仔犬に多い噛み行動ですが、成犬になってからも残ることがあります。
3. 本能・習性からとにかく噛みたい!
噛むことは、ワンちゃんに生まれつき備わっている本能であり習性です。
ワンちゃんは噛むという本能的行動で欲求が満たされるため、暇つぶしに自分の手や家具などを噛むことがあります。また、破壊欲があるため、いろいろな物を噛んで壊して満足するのです。
この時、ワンちゃんの気持ちとしては
- 噛み心地が良くてずっと噛んでいたい。
- 噛んでいるとどんどん壊れて面白い。
- 暇でやる事もないしとりあえず近くの物を噛んで暇つぶしをしよう。
と思っています。
4. 恐怖心・防衛本能からの威嚇・警戒
恐怖心や防衛本能から人や犬などに噛みついてしまうこともあります。
これは基本的には身を守ろうとする防衛本能によるものです。
食べ物やおもちゃなどを取られたくない所有欲や、近づいてほしくない警戒心から噛んだり、噛むふりをしたりすることで攻撃性を示す場合もあります。
この時、ワンちゃんの気持ちとしては
- こっちに来るな、これ以上近づくな!
- ご飯やおもちゃを取られたくないから、噛んでやる。
- ご飯やおもちゃを取られそうになった時に噛んだら取られなかったから次も噛んでやろう。
- 自分の方が強いことを示して、言うことを聞かせてやろう。
- 嫌なことされるのは嫌だから、威嚇して防衛しよう。
と思っています。
これら4つの理由は、生まれつき備わっている生理現象である場合もありますが、仔犬の頃の接し方によって影響を受け、成犬になってからも噛み癖が残ってしまうものもあります。
噛む理由 | 生まれつきのもの | 接し方による影響あり |
---|---|---|
歯がかゆい | 〇 | |
甘噛み | 〇 | |
本能・習性 | 〇 | |
威嚇・警戒 | 〇 |
噛んでしまう理由別の対処法|どんな時に噛んでしまうのかを考えてみよう

望ましくない噛み癖は改善する必要がありますよね。対処法を考える際は、どんな時に噛んでしまうのかを考えることが大切です。
では、噛む理由別に対処法をご紹介します。
1. 歯がかゆくて噛んでしまう時
歯の抜け変わりによる噛み癖は仔犬の頃の期間限定のもの。
避けられない噛み行動とはいえ、しっかりと対策をすることにより、被害を少なくすることができます。
まず、どんな時に良くない噛み癖(噛んではいけないものを噛む)行動が出るのでしょうか?
主にこんな時です。
- 近くに噛みやすい物がある。
- 噛んで良い物がない、またはわからない。
良くない噛み癖を防ぐためにこんな風に対処しましょう。
- 噛んで良い、噛み心地の良い、仔犬が好きなおもちゃを用意する。
- 噛んではいけないもの(家具やケージなど)を噛んでいる時は、低い声でしっかりと注意して落ち着いたら、噛んで良いおもちゃを与えて褒める。
- 噛んで良いおもちゃを噛んでいるときによく褒める。
2. 甘噛みで噛んでしまう時
これも、仔犬に多い噛み癖理由ですが、飼い主さんの接し方によっては、成犬になってからも噛み癖として残る場合があります。仔犬のうちからしっかりと対応しましょう。
こんな状況が噛み癖を誘発し癖にします。
- 飼い主の手などをおもちゃ代わりに遊んでしまうことにより、手は噛んで良いものと認識させてしまう。
- 仔犬の頃は痛くないからと飼い主が甘噛みを許すことで、許可を得ていると認識し癖になる。
- 飼い主さんの手足を噛んだら、飼い主さんが大きな声を出してくれて楽しそう(と犬が誤解している)。
甘噛みを癖づけない為には、以下のような対処しましょう。
- 人間の皮膚に歯が当たった時は痛くなくても、放置せず注意する。
- 手が歯に触れるような遊びをしない。
例)ロープなど手からおもちゃまでの距離があるものを使って遊ぶ。 - 甘噛みされた時に甲高い声や大声を出したりせず、真剣に低い声で注意したり、遊びをやめて無視する。
- 遊びの最中、興奮させすぎて、人間の皮膚にあたらないようにする(興奮MAXになる前にクールダウンをする)。
- 「ちょうだい」・「放せ」など咥えたものを放すコマンドを教えていく。
甘噛みを許しているとこんな風にエスカレートしていきます。
- 噛む事が癖になり興奮時や嫌なことをされたときに噛むようになる。
- 遊んで欲しい時など、飼い主さんへの意思表示で「噛む」という行動を選択してしまう。
- 遊びの最中に遊びのつもりでわざと人の手や足を噛む。
3. 本能、習性からとにかく噛んでしまう時
ワンちゃんには生まれつき備わっている噛む本能、習性から噛み行動が出てしまうのはこんな時です。
- 噛める対象物が近くにある。
- 暇でやる事のない時間が長すぎる、噛む意識を他の物に向けられていない。
こんな時は、以下のように対処しましょう。
- お留守番中や構ってあげられない時間は、暇つぶしができるよう好きなおもちゃを与える(壊れやすいものはNG!噛む用にできているおもちゃを与える)。
- いつも同じおもちゃがサークル内にあると飽きてしまい、他の物を噛もうとするので、サークル内に入れておくおもちゃは適宜変えてあげる。
- 噛んで良いおもちゃを噛んでいるときによく褒める。
- 知育玩具をつかって、ノーズワークなどをさせ好奇心を刺激して本能を満たしてあげる。
4. 威嚇、警戒の気持ちから噛んでしまう時
生まれつき怖がりで神経質なワンちゃんの場合、育った環境によっても恐怖心や防衛本能が強くなってしまうことがあります。
この噛み癖の原因は
- 幼少期や日常生活で、噛むことで要求が通った経験や危険や恐怖を回避できた経験をしてしまうと、噛むことが有効であると学習してしまう。
- 幼少期から犬を甘やかした結果、犬との主従関係性が崩れ、噛むという力によって人を動かせると判断するようになってしまった。
- 幼少期にブラッシングや足拭きなど、嫌なことを無理やりして苦痛を与えてしまった。
- 叱る時に大声で怒鳴ったり、叩いたりなどをしたため、命の危険を感じ防衛本能が強くなってしまった。
このような場合は、以下のような対処が必要です。
- ブラッシングなどの嫌がることを無理やりせずにうまく慣らす(おもちゃを噛ませながら、おやつを与えながらする等)。
- 幼少期からフードガード、フードアグレッシブ(ごはんを守ろうとする攻撃的な行動)が出ないよう接する。
- 臆病な犬の場合は、素早く動かず、ゆっくりしたペースで対応する。
- 甘やかしたり要求を簡単に通すような接し方をしたりしないよう幼少期から気を付けて接する。
- 犬が怖がること、嫌がること、驚くことをして防衛本能を強くさせない。
- 幼少期から必要最低限のオビディエンス(服従訓練)を行い、正しい主従関係を築く。
- 既に警戒や威嚇による噛みやスナッピング(噛むふり)が身についてしまっていたら、トレーナー等の専門家に相談する。
噛み癖として残さないために|仔犬の接し方と気を付けるポイント

先にご紹介したように、噛む理由は生まれつきのもの、仔犬の時の接し方によって今後に影響があるものと2種類に分けられます。
噛む理由 | 生まれつきのもの | 接し方による影響あり |
---|---|---|
歯がかゆい | 〇 | |
甘噛み | 〇 | |
本能・習性 | 〇 | |
威嚇・警戒 | 〇 |
甘噛みや威嚇・警戒は、仔犬の時からの接し方によって、癖づいてしまい、成犬になってからも問題行動として残ってしまうことがあります。
仔犬には、以下のことに注意して接するよう心掛けていきましょう。
1. 仔犬が驚くような行動はしない
以下のような行動は仔犬を不必要に驚かせます。威嚇・警戒の噛み行動を誘発するだけでなく、繰り返されることで問題行動が残ってしまいます。
- 大きな声を出す。
- 大きなアクションをする。
- 急に触る。
- 急に駆け寄る
臆病な性格のワンちゃんは上記の行動をされると、とてもびっくりします。
このような、行動をされるとワンちゃんの心に 警戒心が生まれてしまうので注意します。
2. 嫌がることを無理やりしない
こんなことはしていませんか?
- 嫌がっているのに押さえつけてブラッシングをする。
- お散歩から帰った時に無理やり足を拭く。
- 一緒に遊んでいる時に焦らしすぎたりするなど、犬がイライラするような行動をする。
- 嫌がっているのにしつこく触る。
もしも心当たりがあるような場合は気をつける必要があります。
ALは毎日ブラッシングしなければならない犬種です。
ブラッシングをしている時に、もつれなどで引っかかった際に、痛くて歯を当てようとする時はありませんか?
そのような時に無理やりブラッシングを続けてしまうのは、よくありません。無理やり嫌がるブラッシングなどを行うことは、自分の意思を無視された経験として覚えてしまい。自分を守る為、次からは噛むふりなどをして威嚇をする行動が誘発される可能性があります。
3. 注意する際は真剣に!
ALはとても可愛い見た目をしています。
だから、つい、叱る際は『だめだよ~』など、甘い言い方になってしまいますよね。
しかし、遊んでいる際に手を噛んできたり、良くない行動をしたりしたときはしっかりと注意してあげなければなりません。
注意する際は、甲高い声を出したり大声を出したりするのではなく、低い声でしっかりと目を合わせて『No』や『ダメ』など短い単語で注意します。
賢いALは注意の単語を覚えることにより、これは良くない行動なのだなと理解するようになります。気を付けたいのが、叩いたり、怒鳴ったりなど恐怖を与えるやり方は、恐怖心から防衛本能を誘発させ噛みつきに繋がることがあるので要注意です。
4. 堂々と落ち着いた気持ちでワンちゃんと接する
最後にこれら3つを、形にするために必要なこととして、あげられるのが飼い主さんの気持ちや態度です。
ALはとても観察力のある犬種です。
今、飼い主さんがどんな気持ちなのかをすぐに理解することができるが故に、飼い主さんの気持ちに自分の気持ちも引っ張られてしまうのです。
例えば、初めて犬を飼うからといって、飼い主さんが焦っていたり緊張したりしていると、ワンちゃんもそわそわ落ち着きがなくなってしまったりすることもあります。
飼い主さんは、いつどんな時も堂々と落ち着いた気持ちでいることにより、ワンちゃんは飼い主さんのことを心より信頼することができます。そうするとワンちゃんは飼い主さんに守ってもらえる!という安心感から、警戒心や防衛本能を抑えることができ、穏やかで心の安定した犬に成長することができ、噛み癖などの問題行動を防げます。
ALの噛み癖 予防と対処法 まとめ
今回はワンちゃんが噛んでしまう理由やその対処法をご紹介いたしました。
仔犬のうちにしっかりと噛む理由や原因を理解し対処することで、多くの問題行動を防ぐことができます。
これからもずっと、ワンちゃんと飼い主さんが仲良く快適に暮らせますように。

※ニチイ学館の犬の繁殖・販売事業、グルーミング事業は、2024年3月1日を以て、レイクウッズガーデンへ承継されました。