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【獣医師監修】ワンちゃんの食べムラ対処法|ALは食事に興味がないの?

ワンちゃんは食べるのが大好き。急いで食べさせないようにするグッズがたくさん販売されているほどです。けれども、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の場合はそうとも限りません。皆さんのALはごはんが好きですか?それとも、食べムラがあってお困りですか? 実はALは食に対してあまり興味がない子もいて、飼い主さんが手を焼いているケースも見られる犬種です。今回はそんな食事ムラのあるALちゃん達の対処法をご紹介いたします。この記事は、ニチイグループのAL事業立ち上げ当初から10年以上、健康管理等、ALにトータルに関わっている獣医師が書いています。

オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)は食べムラがある子が多い犬種

ニチイ学館の事業で、多くのALに関わってきた経験から、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の約4割のALちゃんが食べムラを経験したことがあることがわかっています。食べる時と食べない時があったり、食事に興味を示さなかったりするALちゃんです。

もちろんどんな犬種にも、食事に興味のない子はいますが、ALの先祖犬の1つであるプードルに、比較的そのような傾向があるため、そんな性質を受け継いでしまったのでしょう。

毎食少しだけ残す子や、朝晩どちらかしか食べない子、トッピングがないと食べない子、おやつしか食べない子などさまざまです。飼い主さんはそんな愛犬の様子に翻弄され、日々いろいろと工夫されている方も多い印象です。

では、そんな食べムラにどう対処したらいいのでしょうか?

食べムラ対処法|愛犬の体型に合わせて食事調整

対処法を考える際、まず必要なのは、愛犬の体型を確認することです。

オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)はふわふわ、もこもこなので、とても痩せていても飼い主さんが気付いていないケースがよくあります。

とてもよく食べる子なのに実は痩せているという場合は、食事量が足りていないことになりますので、食事量を増やして対応することになります。逆に太っているのに、食事をいつも残して困っているという場合には、そもそもそれほどの食事量が必要ないことが分かります。

食べムラ対処法 Step 1: まずは体型確認

そのため、まずは愛犬が適切な体型であるかどうかを確認することから始めましょう。

ワンちゃんの体型が適切であるかどうかを確認する方法として、ボディーコンディションスコア(BCS)という指標があります。

体型をBCS1-5で表しており、BCS3が標準点です。理想体重ならBCS3、それより太っている場合には4や5、痩せている場合は2や1となります。

BSCのどれに該当するかは、表に記載の肋骨、腰部、体型の特徴を確認します。確認した時点の理想体重は該当BSCに記載の理想体重(%)を元に算出した範囲となります。
※例:現在の体重が7kgでBSC3なら、理想体重範囲は7kgx95%~7kgx106%です。

愛犬の体型がBCS3にあたる場合には、現在の食事量で問題ないという判定となりますので、食事量の変更は不要です。残している場合には量が多いかも知れません。良く食べている子も、あまり食べない子も理想体重の場合にはそれほど心配はありません。

但し、ALはとても賢い子が多く、食事の与え方によっては、今後、食べムラがでてくる可能性があります。後述する食事の与え方に注意してください。

食べムラ対処法 Step 2: 体型に合わせて食事量を調整

BCS4や5の場合には、ダイエットが必要です。食事量を10%程度減らし、2週間毎に体重を測定して少しずつでも落ちていることを確認しましょう。半年程度かけて徐々に理想体重に近づけましょう。

おやつのカロリーも食事に含まれます。おやつは全食事量の10%程度にとどめるようにしましょう。また食事量はおやつの分だけ減らしましょう。摂取量は、記録を貼りつけるなどして、お世話をする他の家族と共有してください。

BCS2や1の痩せている子の場合で、食事をよく食べている子は、食事量が単純に不足していた可能性があります。食事量を10~20%程度増やして、体重が増えることを確認しましょう。

急に増やすと下痢をする可能性や食事を残す癖がつく場合もありますので、食べられることを確認しつつ、便の状態も確認しながら少しずつ食事の量を増やしていきましょう。

BCS値体型対応方法
4-5太り過ぎダイエット必要。食事量を10%程度減らす。
3理想体重食事量の変更は不要。
1-2痩せ過ぎ食事量を10~20%程度増やす。

食事の与え方|飼い主さんがやりがちなNG行動

愛犬が、食事を残しがちのときは、どんな対応が必要でしょうか。

実は、飼い主さんのNG行動が原因になっている場合もあります。

飼い主さんがやりがちなNG行動とは?

愛犬に食事を与える時に、以下のような行動をしていませんか?一つでも当てはまるものがあるようなら、注意が必要です。

<飼い主さんのNG行動>

  1. 食べないので食事を出しっぱなしにしている。
  2. 食べないのでフードを頻繁に変更する。
  3. 食べないのでトッピングをする。トッピングの変更を繰り返す。
  4. 食べないのでおやつを与えて空腹をしのがせている。
  5. 食べないので食事を手で与えるなどのお手伝いをする。
  6. 食事中じっと監視している。

食事に興味が薄いALの場合、食事を出しっぱなしにしていると、食事はいつでも食べられるものと思って、どんどん食への興味がなくなります。食事時間に食べなければ30分以内でお皿は下げましょう。

またフードやトッピングの変更は「食べなければもっとおいしいものが出てくる」と覚えてしまい、どんどん我がままになってしまいます。成犬の場合には、おなかが減ってくればいずれ食べるものと考え、愛犬のわがままに付き合わない意思の強さが必要です。

食事をしないなら、おやつは与えないこと。食べるまで愛犬と根気比べです。毎日続けることで、出されたものを食べなければお皿を下げられてしまうということを学習します。頑張りましょう。

また、食べないからと、フードを手で口に運んだり、食事中に傍で見守る等している場合には、食事よりも飼い主さんとのコミュニケーションとして捉えたり、集中できなかったりと、やはり食事への意欲が落ちてしまいますのでおすすめできません。

食べてもらうためのちょっとした工夫

食べてもらうために、飼い主さんが主導でちょっとしたフードの見直しを行うのも一案です。

食べられる量が少ない子は、カロリーの高めなフード(100gあたり400kcal前後)を選択することで、食事量を減らすことができます。

また、同じドライフードでも形を少し変えることで食べる子もいます。ドライフードに少し水を足したり、お湯を加えてふやかしたり、温めて香りをたてたり等の工夫で食べる子もいます。ぜひいろいろ試してみてください。

缶詰やレトルトフードは、ドライフードと混ぜるなどして、使うことができますが、多くはエネルギー量が100gあたり100kcal前後しかありません。必要エネルギー量を得るために、たくさんの量を食べなければなりません。また、缶詰やレトルトフードはあくまでも補助食品に当たりますので、栄養バランスのことを考えても頼りすぎないように注意が必要です。

変化する消費カロリーと必要な摂取カロリーのバランス

愛犬の体型に応じた食事の与え方については、お分かりになりましたでしょうか?

ワンちゃんも人も同じですが、太るか痩せるかは『摂取カロリー』と『消費カロリー』のバランスの上に成り立っています。『消費カロリー』には、愛犬の基礎代謝やお散歩時間、おうちでの過ごし方等、様々な要素があり、個々のワンちゃんによって異なります。

そのため、ドッグフードの裏面に記載されている食事量を与えていれば大丈夫というわけではありません。必ず、愛犬の体型や活動量に合わせて食事量を調整するようにしてください。

また、去勢・避妊済みのALと未去勢・未避妊のALでは基礎代謝が異なり、未去勢・未避妊のALの方がエネルギー量の必要量が多くなります。また、未避妊のALは、発情のホルモンバランスによって時期による食事のムラが出てきます。無理せず、体調に合わせて食事量を調整してあげましょう。

一方、去勢・避妊後は食欲が出てきて食事ムラが解消するケースも多くなります。食べ過ぎないように注意してください。

また、シニアになると基礎代謝も落ち、運動量や筋肉量も落ちてきます。『摂取カロリー』が『消費カロリー』を上回りやすくなるため、食事量やフードの種類を変更する等して対応してください。

食べムラ対処法 まとめ

今回はオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の食べムラ対処法をご紹介いたしました。

基本は、愛犬の体型確認と、体型に合わせた食事の見直しです。 子犬からシニア犬まで、状況やライフステージに合わせて、常に体型の確認と食事量の調整が必要になります。

可愛い愛犬の健康のため、これからも栄養バランスとエネルギーバランスを意識していきましょう。

教えてくれた人(この記事の投稿者)

関根 彰子

獣医師

ニチイグループでAL事業を立ち上げた初期から、10年以上ALに関わっている獣医師。
繁殖に関わる親犬や生まれてきた子犬達の健康管理、ALのブリーディングについての助言や調査等トータルに関わっており、ALについての多くの把握している獣医師です。

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