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オーストラリアン・ラブラドゥードルは犬アレルギーが起きにくいって本当?

私達の生活において、ペットはかけがえのないものです。犬の飼育頭数は全国で705.3万頭(7,053,000)で、世帯飼育率も9.7%となっており(2022年ペットフード協会発表)多くの人々の心を癒す存在です。しかし、アレルギー体質の方にとっては犬を飼育したくても、犬を飼育することで発症するかも知れないアレルギーへの不安というものがどうしても付きまといます。今回はそんな方々へ向けて、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)のアレルギーフレンドリー(アレルギーが起こりにくい)という特徴について紹介したいと思います。 この記事は、ニチイグループのAL事業立ち上げ当初から10年以上、健康管理等、ALにトータルに関わる獣医師が書いています。

アレルギー体質の人を困らせる 犬アレルギーとは?

アレルギー体質の人にとって、犬はアレルギーの素因(原因)になり、気管支喘息や通年性のアレルギー性鼻炎、結膜炎やアトピー性皮膚炎等を引き起こす可能性があります。

イヌアレルゲンは、7種類(Can f 1~Can f 7)が特定されており、犬の被毛やフケ、唾液や尿等に含まれています。これらのアレルゲンが被毛に付着し、その被毛がヒトと接触することでアレルギーが発現するのです。

アレルギー体質の方は、このイヌアレルゲンが経口、吸入、経皮(接触)等で体内に侵入した際に、IgE抗体という身体の中にある抗体とアレルゲンが結合することによってアレルギー反応が出現します。

ある論文に、犬種によって被毛1g当たりのCan f1(前述の犬アレルゲン7種のうちの1つ)量に大きくばらつきがでたという調査があります。被毛の長さには関係はなく、皮膚上の脂っぽさや性別による差が出たという結果です。

これらを受けて、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)と犬アレルギーの関係について考察してみたいと思います。

オーストラリアン・ラブラドゥードルは犬アレルギーを起こしにくい

オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)はアレルギーフレンドリーといって、人にアレルギーを発現させにくい性質があります。

前項でお伝えした通り、イヌアレルゲンは犬の被毛やフケ、唾液や尿等に含まれています。これらのアレルゲンが被毛に付着し、その被毛がヒトと接触することでアレルギー症状が発現するのですが、オーストラリアン・ラブラドゥードルは被毛が比較的抜けにくい犬種です。そのため、アレルゲンの付着している被毛やフケが床に落ちて舞い上がりにくく、人が微細なアレルゲンを吸い込む可能性が低いことから、比較的アレルギー症状を起こしにくい犬種といえるのです。

また、これは経験的に感じていることですが、皮膚のべたつき(皮脂)が少なく、よだれも比較的少ない印象です。これらも他犬種に比べてアレルゲンが少なくなる要因かも知れません。

実際にこれまでも、ALを提供する中で、犬アレルギーの方がいるご家族が、調べていくうちにALに行き着いたというお客様もたくさんいらっしゃいました。そして、実際、多くのご家族から問題なく犬と生活されているというご報告を受けています。

しかし、ALであっても、被毛の抜け具合や皮脂、唾液量も含めて個体差があります。また、誰に対してもアレルギー症状が起こらないというわけではありません。唾液や尿にもアレルゲンが含まれるため、それらに対して強い反応を起こす場合や、少量のアレルゲンでも反応を起こす犬アレルギーの重症度の高い方の場合は、ALだからといって、アレルギーが起こらないわけではありませんので注意が必要です。

ご興味のある方は病院の先生にも相談された上で、ニチイ学館が経営するALの販売所「LakewoodsLabradoodles」(千葉県流山市)の看板犬とふれあい、アレルギーテストをしてみてください。実際に子犬を迎える前に確認してから購入することもできます。

アレルギー体質の方は以下に注意することで、アレルギーの発症を予防する効果があります。

  • こまめな掃除や空気清浄機による空間のアレルゲン浮遊の減少に努める
  • シャンプーの頻度を上げ、被毛に付いたアレルゲンを落とす
  • 尿の後始末を早めに行う(乾燥すると尿中に含まれるアレルゲンが空間に舞うため)
  • 舐められたり尿がついた場合にはすぐに洗う

オーストラリアン・ラブラドゥードルとの生活について

アレルギーフレンドリーなオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)は、犬アレルギー体質の方にとっては、非常に貴重な存在であることはお伝えいたしましたが、アレルギー体質ではない方にとっても、とても飼いやすい犬種です。

被毛は柔らかくふわふわ、常に触っていたくなる感覚です。被毛が抜けにくいことからソファーやベッドが毛だらけになるということが少ないため、抱きしめながら横になることに抵抗がなくなります。

室内で犬を飼育していると1日に何度も掃除機をかけるという経験を持つ方は多いことでしょう。もちろんALも人間と同じくらいには毛が抜け落ちますし、全身が被毛で覆われているため、その分人間よりも落ちる量は多いかも知れません。しかし、他の被毛が抜けやすい犬種と比べると圧倒的に抜け毛が少なく、被毛を掃除する煩わしさが少ないことを実感できることでしょう。

また、AL同様に被毛が抜けにくい犬種であるシーズーやヨークシャーテリアのように、床に届くほどいつまでも伸びるわけではありません。ALの場合、10~15cm程度で被毛の成長は止まります。ドッグショー以外でシーズーやヨークシャーテリアがフルコートで街中を歩いているのはあまり見かけませんが、ALのフルコートは比較的よく見かけます。ALはふわふわのフルコートの状態でおしゃれが楽しめるという魅力もあるのです。

ただし、ブラッシングは欠かせない犬種です。抜けた毛が絡まって毛玉の元になったり、毛玉による皮膚炎も起こりやすくなったりしますので、少しずつでも毎日のブラッシングをお願いします。
アレルギーがある方もない方も犬との幸せな生活が楽しめると良いですね。

犬アレルギーが起きにくい? まとめ

アレルギーフレンドリーと言われるオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)について、ご理解いただけましたでしょうか?被毛がぬけにくく、アレルギーが起こりにくい犬種であることから、犬アレルギーがあって犬の飼育をあきらめていた方にとって、ALが選択肢の一つになることを願っています。

ぜひあなたもALとの楽しい生活を始めてみませんか

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※ニチイ学館の犬の繁殖・販売事業、グルーミング事業は、2024年3月1日を以て、レイクウッズガーデンへ承継されました。

教えてくれた人(この記事の投稿者)

関根 彰子

獣医師

AL事業を立ち上げた初期から、10年以上ALに関わっている獣医師。
繁殖に関わる親犬や生まれてきた子犬達の健康管理、ALのブリーディングについての助言や調査等トータルに関わっており、ALについての多くを把握している獣医師です。

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