オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の購入を検討中の方へ。ALはちょっとお高いという印象があるのでは?そこで、本記事では、ALの価格が、他犬種と比較して高い?理由や、価格の設定方法についてお伝えします。また、併せて、購入方法や購入後にかかる飼育費用についてもご紹介します。ALを迎える上での資金計画の参考にしていただけましたら幸いです。 この記事は、ニチイ学館でオーストラリアン・ラブラドゥードルの事業を管轄し、自身も10歳のオーストラリアン・ラブラドゥードルと暮らす原田がお伝えします。
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オーストラリアン・ラブラドゥードルの価格って、どうして割高なの?
オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の価格は、おおむね600,000円からとなっています(2023年現在)。他の犬種と比較すると、少し割高かもしれません。けれども、そこには様々な理由があります。その理由を知ると、そこまで割高ではないのがわかると思います。ここでは、その理由3つをご紹介します。
- 先進的なブリーディングシステムを採用している。
- 高規格ブリーディング施設の維持・運営費がかかる。
- 生体補償や健康チェックなどが含まれた価格設定になっている。
以下で詳しく説明します。
1. 先進的なブリーディングシステムの採用
犬のブリーディングは個人事業者で運営されていることが多く、その質も様々です。
もちろん質の高いブリーダーも沢山いますが、中には経済的な事情や予期せぬ問題の発生などで、オーナーの本意ではなくとも飼育崩壊のような状態になってしまうケースもあります。
ニュースリンク: 「甲斐犬」171匹を劣悪環境で飼育した元ブリーダーを逮捕。虐待を防ぐには?
日本で唯一ALのブリーディングを事業として行うニチイ学館では、継続的に健全なブリーディング活動を続ける仕組みを採用しています。
一つ目が企業組織としてブリーディング活動を行うこと、そして、2つ目が300組以上のファミリーがかかわる、FCHシステム(ファミリーケアシステム)(※) という先進的なブリーディングシステムを採用していることです。
※FCHシステム:一定条件を満たしたファミリー(里親)にALをご提供し、ブリーディング活動にご協力いただくシステムです。FCHシステム詳細はこちら
2. 高規格ブリーディング施設の維持・運営費
オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)のブリーディング施設は、土地面積3,800㎡、建屋は1,700㎡の広大な施設で、親犬にも仔犬にもできるだけストレスを与えない自然な環境を準備しています。
例えば母親が子育てを行うお部屋の広さは、1部屋約3.5㎡×2Room+ドッグラン約7㎡=約14㎡あり、育児しやすい環境を作っています。
ALに優しいこのような高規格の施設を維持・運営していくために多くの費用がかかっています。そして、これらの費用が価格に反映されることになります。
3. 生体補償
前述した2つに加え、ニチイ学館では、遺伝性疾患のリスクを下げるための検査の徹底などの取り組みも実施し、可能な限り健康な仔犬のご紹介ができるよう努力しています。
しかし生き物である以上、予見できない疾病が発症する仔犬が出てしまうことも事実です。
ニチイ学館では、少しでも安心して仔犬をご家族として迎えていただくために、そして万が一の場合に少しでもお客様に寄り添えるよう、以下のような補償を販売した仔犬全頭につけています。
<補償例>2023年9月現在(詳細は必ず契約書にて確認ください)
- 販売後の遺伝性及び先天性疾患補償の一部
- 生体価格の最大50%までの医療費を補償
- 補償期間は最大2年間
ここでは、ALの価格が少し割高になっている主な理由を、ご紹介しました。
オーストラリアン・ラブラドゥードル それぞれの仔犬の価格が違う理由
ニチイ学館では、命に価格をつけるというのは、非常に責任あることと捉えています。
そのため、できるだけ客観的かつ合理的に価格を設定するために、2つの基準を設け、その基準に準じてオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の価格設定をしています。
1. ALの基本価格について
基本価格は、まず、色や大きさ、性別により決まります。
色は繁殖犬の頭数とニーズとのバランスにより段階的に価格が設定されています。大きさは、日本の家屋の事情もあり小さい方が比較的高く、大きい方が安く設定されています。しかし、飼育費用は大きい方がかかることを忘れてはいけません。
性別は、個人の好みにもよりますが、トイレ(足上げ・マーキング)のしかたや、オスのやんちゃなイメージから、メスの方が好まれる傾向があるため、ニーズのバランスによりメスの方が高く設定されています。
2. 独自の評価表によるチェック
基本価格が決定したら、次に20以上ある独自のチェック項目により評価がなされます。ALの犬種標準(グレーディングスキーム)(※) も参考に、個々の評価を行うのです。
※犬種基準:オーストラリアン・ラブラドゥードルの標準的な特質を項目ごとに定めたもの。
例えば、毛の量や均一性、パーツバランスや骨格などです。項目によっては、確認する担当者の主観が入るケースもあるため、複数のスタッフと獣医にて確認し、基本価格からプラスやマイナスを行います。
ただし単純に、“安いから悪い”“高いから良い”という話ではありませんし、必ずしも仔犬の段階での評価が生涯にわたり継続するわけではありません。あくまで仔犬の段階で上記のような、一定の基準に基づいて設定された価格と考えてください。
オーストラリアン・ラブラドゥードルの初期費用・飼育費用ってどのくらいかかるの?
では、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の初期費用や飼育費用ってどのくらいかかるのでしょう?
まず、お伝えしたいことは、日本で飼育頭数の多いトイプードル(小型犬)などと比べて、飼育費用は相対的に高くなるということです。単純に体が大きいためフードの量やお薬の量が多くなるためと、他の犬種と比べ、トリミングやお手入れが必要な犬種であるためです。
また、細かな費用の話に入る前に、知っておいていただきたいことがあります。
それは、生体そのものの費用より、これから一緒に暮らしていく費用の方が何倍もかかるということです。そのため今回は10年という長い期間で費用を掲載してみました。
もちろん、愛犬に対しての費用のかけ方は、人それぞれです。『必ず、これだけの費用がかかる。』また『これだけしかかからない。』と断言はできません。けれども、これまでオーストラリアン・ラブラドゥードルを10年飼育した経験と、様々なALのオーナー様とお話しした経験から、費用の目安をご紹介させていただきます。
いかがでしたか?思った以上に費用がかかると思った方、もっとかかると思った方、いろいろだと思います。
もちろん、フードやおやつの種類、トリミングの回数を私のように2カ月に1回程度にして、自宅でシャンプーする(大変ですが・・)など工夫することで、今回ご紹介した費用より安くすることは可能です。
しかし、生き物である以上、高齢になってからの医療費や思わぬ出費(私は仔犬の時に壁紙を破かれて修繕リフォームで10万円くらいかかりました・・・)もあるため、経済的に余裕のある計画を立てて迎えられることをおすすめします。
実際に、昨今問題になっている保護犬の中にも、飼い主さんの経済的な理由で犬を手放すケースもあることを合わせてご紹介しておきます。
オーストラリアン・ラブラドゥードルの購入方法どんな方法があるの?
最後にオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の購入方法をご紹介します。
オーストラリアン・ラブラドゥードルの購入方法は、大きく分けて以下の3つがあります。
- レイクウッズ ラブラドゥードルズで購入する。
- FCHシステムに申し込み里親になる。
- 輸入代行業者を利用する。
1.の「レイクウッズラブラドゥードル」は、私達ニチイ学館が運営する千葉県流山市にある日本唯一のオーストラリアン・ラブラドゥードル販売所です。但し、原則としてペットショップのように店頭で展示販売は行っておりません。
オーストラリアン・ラブラドゥードル抽選申込サイトから応募・当選された方に対し、オーストラリアン・ラブラドゥードルとのマッチングと販売を行うシステムです。
これら3つ購入方法の違いについて、以下の表にまとめてみました。それぞれメリットやデメリットがあります。
※ALAJ: 日本オーストラリアン・ラブラドゥードル協会。オーストラリアン・ラブラドゥードルの犬種の保全。登録、血統書の発行。登録管理を行っている団体。
以上のように、それぞれの購入方法でメリット・デメリットがあります。購入方法の検討するとき際に参考にしてください。
価格と費用、購入方法 まとめ
オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の価格と飼育費用、購入方法についてご紹介しました。
ALの価格が比較的高めな理由や価格の決め方を知ることで、ただ単純に、人気だから高いことが理由ではないことを知っていただけたと思います。そして、その価格よりも、家族として迎えられてからの費用の方が大きいことも知っていただけたと思います。
今回は費用についてのお伝えしましたが、迎えられる仔犬が、ご紹介した費用以上の幸せな経験や体験、時間を提供してくれるのも事実です。
ALのご購入を検討されている方、既に迎えられている方が幸せになれるよう、この記事を参考に、計画を立てていただければと思います。
最後に、余談ですが、我が家はALを迎えるため、自分達のお小遣いを減らしました。笑
ALに出会えるマッチングサイト
ニチイ学館の抽選販売サイトでは、毎週、新しいAL達を掲載しています。どんな子がいるかのぞいてみてください。閲覧にはまずは こちら からサイト利用申込が必要です。
※ニチイ学館の犬の繁殖・販売事業、グルーミング事業は、2024年3月1日を以て、レイクウッズガーデンへ承継されました。