ついに待ちに待ったオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)が家にやってくる!浮足立つ気持ちと、不安な気持ち、楽しみな気持ちが混ざり合い、ドキドキが止まりませんよね。でも、いったい何を揃えればよいのか?何が必要なのか?初めて迎える仔犬がALというオーナー様にとっては、全てが未知の世界。今回は、初めてALを迎えるオーナー様に向けて、仔犬を迎えるために必要な準備を、ニチイ学館社員犬の元担当トレーナで、自身も10歳のALと暮らす岡野がご紹介します。
Contents
ALを迎える前の準備|仔犬が生活するスペースを整える
まずは、仔犬が安全に心地よく暮らせるようなスペースを整えることが大切です。
仔犬の生活スペースを作るために必要な道具
仔犬が生活する場所を作るために、とりあえず、最低限揃えておく必要があるものは以下の6つです。
<揃えるもの>
- サークル
- 床トレーもしくは防水マット
- クレート
- トイレトレー
- トイレシート
- 給水機
以下に1つ1つ詳しく説明します。
1. サークル
サークルは、中にクレートとトイレトレーがおけるサイズのものを用意します。
屋根付き屋根なしがありますが、屋根付きタイプがおすすめです。
屋根付きであるメリットは
- サークル内への落下物からワンちゃんがケガをするなどの事故を防止できる。
- 思わぬ時にお部屋の中に出てきてしまうなどの脱走防止になる。
- いきなり飼い主さんに飛びつく、飛びつき癖防止ができる。
などです。
屋根がないと、上から何かが飛んできて、ワンちゃんに命中!なんていうことも起こりかねません。
また、お部屋の中には何があるかわかりません。不用意にワンちゃんが飛び出てきて、思わぬものでケガをしてしまったり、誤飲してしまったりと事故に繫がる恐れもあります。
飼い主さんを見て、喜びのあまりジャンプで飛びつく癖がついてしまうのも困りものです。
仔犬の頃に飼い主に飛びつくのは可愛いな~くらいで済みますが、そのまま成長して大きくなってからも飛びついてこられると、反動で人が転倒してしまったりとケガの原因となることもあるからです。
また、どうしても屋根なしのサークルを使うのであれば、サークルの上からの出入りは禁物です。上から出られることと知ってしまうと、賢いALは、そこからジャンプして出ることを学んでしまいます。
サークルはオーナー様に自分のお部屋があるように、愛犬にとって落ち着く場所、休息の場所として覚えてもらいましょう。
サークルの設置場所は部屋の端など静かで落ち着ける場所にします。ドアやTVの横など、騒がしい場所は避けましょう。大きな窓の近くも外気の影響を受けやすく、外の環境(物音や人影など)が気になってしまうので、避けるべきでしょう。
また、サークルの傍に電源コードなどがあると、気になってサークル内に引っ張りこんでしまったり、噛んで感電してしまったりする危険性があります。コード類はサークルから離す、もしくは配線カバーなどを使用してむき出しにしないようにしましょう。
2. 床トレーもしくは防水マット
サークルの下には床トレーもしくは防水マットを敷きます。
お水をこぼしてしまったり、トイレを失敗してしまったりした場合も床が濡れず、お掃除も楽になります。
仔犬は地面を掘るくせがある場合があるので、爪などで傷だらけになることもあります。そんなことからも専用のシートやトレーがおすすめです。
3. クレート
クレートは破損防止のためにもプラスチック製のハードタイプがおすすめです。
犬は本能的に暗がりを好みます。クレートは、サークルというお部屋の中の安心して休める寝室のようなもの。安らげる寝室を作ってあげましょう。
用意するサイズは、成犬に成長してからも使えるサイズがおすすめです。(例えばリッチェル社Lサイズ)
小さいクレートだと入口が狭すぎると感じ、自分から入ろうとしなくなってしまいます。入れたとしても居心地が悪く落ち着かないためストレスになり、興奮したり吠えたりという問題行動に繋がりやすくなってしまいます。
4. トイレトレー
トイレトレーはメッシュのついたものを用意します。
メッシュがついていないとトレーに敷いたトイレシートを噛んでしまったり、引っ張ってしまったり、最悪食べてしまう可能性もあります。
サイズは成犬になってからも使用できるワイドサイズがおすすめです。的が大きいので成功率をあげることができ、トイレトレーニングのスピードアップにつながります。成功体験がトイレ習慣の習得を強化するからです。
トイレのトレーニングについてはこちらの記事をご参照ください☟
5. トイレシート
ワイドサイズのトイレトレーには、レギュラーサイズのトイレシートを2枚敷いて使用することをおすすめします。
2枚敷いておいて、汚れた方のみを片付けるようにすれば、常に自分のおしっこの匂いが残るので、ここがトイレだと覚えることができ、トイレ成功率アップに繋げることができます。
炭やカーボンを使用したシートは吸水性がよく、おしっこをした後のシートを踏んでも足が汚れにくいのでおすすめです。
6. 給水機
最初は水飲み皿ではなく、サークルに取り付ける給水機を使用するのがおすすめです。
床に置く水飲み皿だと、お皿をひっくり返してびしょびしょになってしまったり、水で遊んでしまったりする可能性があります。
ボトルにメモリが入っている給水機だと、どのくらい飲んだのかが確認できるので、水分不足や水分過多などのサインに気づくことができるのでおすすめです。
<その他、あると良いもの>
必須ではありませんが、あると便利なものは以下の2つです。
1. 除菌消臭スプレー
トイレを失敗した場所におしっこの匂いが残っていると、トイレと勘違いしてまたそこでおしっこをしてしまうことも。
そんなトイレ失敗の匂い消しとして、アンモニア臭の分解に適したペット用の除菌、消臭スプレーを用意しておくと良いでしょう。
涙やけケア、歯磨き、耳掃除など普段のお手入れ道具としても兼用して使用できるスプレーもあります。
2. お掃除、お手入れ道具用収納ボックス
サークルの傍には、ウェットティッシュやトイレシート、除菌消臭スプレー、ごみ袋などを一緒に入れた収納ボックスを置いておくと、掃除の際に便利です。 そこにお手入れ道具も一緒に入れておけば、必要な時にさっと取り出してお手入れができます!
ALを迎える前の準備|迎えるお家の環境も再確認
仔犬が生活するスペースのみでなく、サークルのある部屋全体の環境も、ワンちゃんが安全に暮らせるように見直し、整える必要があります。
床は滑りにくいカーペットなどを敷く
滑りやすいフローリングの床はワンちゃんの脚や関節に負担を与え、骨格形成に悪い影響を及ぼすことがあります。
カーペットやジョイントマットを敷くなどして、滑りにくい環境にしてあげると良いでしょう。
ジョイントマットであれば、トイレの失敗をした際などに、汚れた部分だけを取り外して洗えるのでおすすめです。
誤飲しそうなものは片付ける
仔犬は好奇心いっぱい。まず何でも口に入れて理解しようとします。
それが犬の体にとって毒になるものだったら大変!
薬や医薬品など、口に入れてしまいやすいものは仔犬の届かないところに置きましょう。
また、観葉植物があるご家庭もあると思いますが、観葉植物の種類によっては毒となるものもあるので注意しましょう。(ポトス、モンステラ、アイビー、ドラセナ、アロエなど)
ゆらゆら揺れる葉を噛んで引っ張って倒してしまうこともあるので、できれば、別の部屋に移動させるのがおすすめです。
ALを迎える前の準備|事前に決めておくこと
ワンちゃんを迎える環境を整えたら、次は、家族で話し合い、決めておくべきことがあります。
かかりつけ医を決めておく
事前に近くの動物病院を探しておき、かかりつけ医になりそうな病院を検討しておきましょう。
できれば1か所のみでなく2か所以上見つけておくと、休診日で診てもらえないなどの事態を防ぐことができます。
また、地域の夜間休日動物医療センターの連絡先も調べておくと、いざという時に慌てず落ち着いて対処することができます。
動物病院の連絡先は誰が見てもわかるように、目のつくところにメモを張っておくと安心です。
しつけ教室を探し、相談しておく
ワンちゃんが素晴らしい家族の一員となるための準備は、迎える前から始まっています。
各ご家庭へ最初に迎えられる頃の仔犬は生後2~3か月。人間だと乳幼児~幼児くらいのイメージです。
この頃の仔犬はとにかく色々なことに興味津々な『社会化期』と呼ばれる時期。『社会化期』は周りのいろんなことに興味を持ち、警戒心よりも好奇心が勝っているので、見るものすべてが新しく、とりあえず気になったものは噛んだり引っ張ったりして確認したがります。
このスポンジのように何でも吸収する学びに最適な『社会化期』は、仔犬をお家に迎えてから1,2か月のみ。この時期を逃すことなく多くのことを経験させることが重要です。
この貴重な『社会化期』を逃すことなく、多くの学びを経験させてあげるためには、迎える前からドッグトレーナーさんに相談し、スムーズにパピートレーニングを開始できるように準備しておきましょう。
家でのルールを決める
ワンちゃんと家族の皆が仲良く快適に暮らすためには、一定のお家ルールを定めることが重要です。
例えばこんなルールです。
- ソファーに登らせない。
- キッチンに入れない。
- 人の食べ物を与えない。
- お散歩時に家から出る時や、クレートから出す時は、指示をしてから外に出す。
お家のルールを家族で話し合って決めておきましょう。
何故、事前にルールを決めるのか?
同じルールを「必ず家族全員で守る」ことが、大切だからです。誰かひとりでも、「今日は特別だから!内緒ね…!」などと、違うことをしてしまうとワンちゃんは混乱してしまいます。
今日だけ!今回だけ!というのはワンちゃんには理解できず、次回同じことが起きた時に前回良かったのだから今回もいいんでしょ!と、決めたルールと違う行動を取るようになってしまいます。
ALは賢く物覚えが良いため、間違ったルールを伝えてしまうと、それを覚えてしまう可能性があります。
ルールがなく皆が違う対応をしたり、ルールがあっても守らない人がいたりすると、ワンちゃんも家族も混乱してしまいます。ワンちゃんも家族も安心して心穏やかに暮らせるよう、ルールを作って守るを心がけましょう。
仔犬のお迎え体験|我が家の場合
我が家もつい最近、ALの仔犬を家族に迎えました。その時どんな対応をしたのかお話します。
準備したもの
我が家は先住犬がいるので、以下の4つはおさがりを使用しました。
- サークル
- クレート
- トイレトレー
- 給水機
我が家のサークルは屋根のないタイプなのですが、上に布を張り、常に少し暗くなるようにしています。休憩時や夜眠る際もサークルを覆うように、大きなタオルケットをかけて、周りが見えないように配慮しています。
これは、様々な刺激に仔犬が反応しないよう、落ち着いて休憩できるようにするためです。
また、新規で購入したものは以下の4つです。
- 食器
- リード
- 首輪
- おもちゃ
私が特に重視しているのはおもちゃです。
たくさんいた仲間たちから離れ、新しい環境に緊張している仔犬のために、心の拠り所となるようなおもちゃの友達を用意してあげるようにしています。
首輪とリードも事前に用意しておき、早々に首輪に慣れてもらえるよう、お散歩デビュー前から室内にて着用練習を始めていました。
個人的には、最初の首輪とリードは高価なものではない方が良いと思っています。かじられてしまったりなどで、ボロボロになってしまうことが多々あるためです…。
愛犬が暮らす環境
犬と暮らす環境は先住犬もいるので整ってはいるのですが、仔犬のために改めて整えた部分もありました。
まず、床のジョイントマットは新しいものに張り替えて、トイレの粗相をした際にもすぐに外して洗えるように改良しました。
また、子供のおもちゃをかじらないようにおもちゃ棚を高くしたり、電源コードも配線カバーをつけたり、高い位置に移動するなど、誤飲や感電などを防ぐように部屋の配置を変更したりもしました。
それでも、思いもよらないいたずらや予想外の行動によって、せっかく整えた環境があまり役立たなかったことも…。
そのような時は臨機応変に、愛犬に合わせて更に部屋の改良を続けました!
我が家のルール
家庭でのルールも1頭と多頭では多少違ってくると思いますが、基本は一緒です。
我が家のルールは以下が基本となります。
- 人に歯をあてさせない。
- 先住犬を優先する。
- 机に登らせない。
- 人の食べ物を与えない。
- お散歩時に家から出る時や、クレートから出す時は、指示をしてから外に出す。
先住犬たちを見て自ら学んだようで、仔犬たちはルールを覚えるのも早かったです。
迎え入れてから2週間ほどは家や家族に慣れてもらえるようにゆったり過ごし、3週間目からは徐々にトレーニングも開始しました。
仔犬も3週間経ったころから家に馴染みはじめ、先住犬たちも仔犬に慣れてきたのか、一緒に遊ぶ姿も見られるようになってきました。
最初の1か月は焦らず、ゆっくりと関係を築いていくと良いかもしれませんね。
今後、成長するにつれ、気にかけてあげなければならないことは変化していきます。 愛犬の変化に合わせて、環境やルールも臨機応変に変えていけるよう心掛けながら接していくことが必要です。
仔犬が来るまでに準備しておくことや心構え まとめ
今回は仔犬を迎えるまでに準備しておくことや心構えについてご紹介いたしました。
安心して仔犬を迎えるためにはワンちゃんが安全で安心できる環境を整えてあげること、そしてお家のルール作りが必要です。
おうちの環境などによって、用意する物も変わることがあると思いますが、記事にてご紹介したものを基本に必要な物を揃えていただけると幸いです。
しっかりと準備して、大切な家族を迎えましょう!
※ニチイ学館の犬の繁殖・販売事業、グルーミング事業は、2024年3月1日を以て、レイクウッズガーデンへ承継されました。