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コラム

【ALオーナーインタビュー】5頭のALと暮らす神谷さん一家のお話

オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)と一緒に暮らしたいけれど、ALと暮らす方はどんな生活をしているのでしょうか。ALと暮らすことでどんな楽しいこと、また大変なことが待っているのでしょうか。そんなご興味をお持ちの方に、ALオーナーの暮らしをご紹介します。今回は生まれつき障がいを持つお子さんと生活しながら、5頭のALと暮らす神谷さん一家のお話を伺いました。ALの購入をお考えの方や、多頭飼いをお考えの方の参考になれば幸いです。 この記事は日本オーストラリアン・ラブラドゥードル協会(ALAJ)の事務局である上原がお伝えします。

一緒に暮らす5頭のALについて

上原: いきなりの感想ですが、目の前に5頭ものALがいると圧倒されてしまいますね!みんなとってもかわいいです。さらに、全員きれいなフルコートで尊敬さえ覚えます。

今回は、神谷さんファミリーと5頭のALとの暮らしや、障がいをお持ちの息子さんとALたちとのかかわりについてお話をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

はじめに5頭のALについて教えてください。

神谷:うちの子たちはみんな個性豊かな5人組です。こんな子たちです。

  1. ぱんぱん メス ブラックパーティ 8歳 ミニチュア(左から1番目)
    5頭の中のリーダー的存在。姉御肌でみんなをまとめています。
  2. ゲラン オス パーチメント 8歳 ミディアム(左から2番目)
    5頭の中ではお兄ちゃん的存在。元気なやんちゃ坊主で走るのが大好きです。
  3. スターク オス ブラック 7歳 スタンダード(右から2番目)
    超のんびりのマイペースくんです。臆病な性格です。
  4. まる オス ブラック 6歳 ミニチュア(右から3番目)
    犬より人が大好き、常にすりすりするのが大好き。
  5. トゥーリ オス ブラックファントム 3歳 ミニチュア(右から1番目)
    みんなにくっつく末っ子的存在。いつもみんなの真似っこをしています。

上原:それぞれ個性が異なるので一緒に過ごすのが楽しそうですね!はじめてALを飼おうと思ったきっかけを教えてください。

神谷:20年ほど前の話ですが、ゴールデンレトリバーを飼っている大型犬に詳しい友人から、海外には、“ラブラドゥードル”という犬種がいるらしい、という話を聞いたことがあったんです。当時は購入方法もわからない、見ることもできない幻のようなお話で盛り上がっていた記憶があります。

それから時が経ち、2015年。主人と「たまには犬に触りたいね」という話になり調べたところ、ひめはるの里で犬とのふれあい体験ができることを知りました。そしてすぐにひめはるの里のある千葉県茂原市まで行ってきました。そこで初めてALに出会い、あの時友人から聞いた“ラブラドゥードル”の話を思い出したんです。

初めてALとふれあった時は本当に嬉しかったです。お利口なワンちゃんたちばかりで驚きました。

ALとふれあった後で販売所に行きました。そこにいたのがぱんぱんです。女の子らしいお顔立ちで主人が一目惚れでしたね。ぱんぱんの可愛さが頭から離れなくなり、週に3回ほど通って、一緒に暮らすことを決断しました。

上原:初めて出会ってすぐに心を掴まれたんですね!ところで、2頭目に飼ったゲランくんは、ぱんぱんちゃんと同じ8歳ですが、ぱんぱんちゃんとの生活が始まってどれくらい経ってからゲランくんを迎えたのですか?

神谷:ぱんぱんを迎えてからゲランを迎えるまでの間隔は1ヶ月くらいですね。

犬を飼うのは初めてでしたので、ぱんぱんを飼い始めてからは、いろいろな方にお世話やお手入れの仕方などを聞くために、ドッグランに行ったり、ひめはるの里には週1で通ったりしていました。

そんな頃、以前の販売所を覗いてみたら、そこにゲランがいたんです。今度は主人ではなく私が一目惚れです(笑)2頭のAL同士が遊んでいる姿を見たくなり飼うことを決めました。躊躇などなかったですね、ぱんぱんが家に一人にならないようにしてあげたかったですね。

上原:1ヶ月とは驚きです!愛犬のためにひめはるの里に色々教わりに行く姿勢や、新たに1頭迎え入れる勢いは本当にすごいと思います。

そこから3頭目、4頭目、5頭目を迎えようと思った理由など教えてください。

神谷:3頭目のスタークについては、スタンダードを飼いたかった想いがあり、購入を決めました。しかし、当時住んでいた賃貸の家は狭く、3頭目を飼うことが難しかったため、大急ぎで一軒家を探し引っ越しました(笑)

上原:1頭目を飼い始めてから1年足らずで3頭もALを迎え、お引越しまでされるとは、激動の1年ですね!

神谷:本当にそうです。その1年後、ひめはるの里の販売所に、大きめの子がいることを聞き、スタンダード好きな私は、ちょっとふれあうだけ・・・というつもりで、見に行ったんです。とは言っても、スタンダードだと思っていたその子は、実は月齢の経過したミニチュアでした。もっとALに囲まれて過ごしたいという想いがあったため、ミニチュアなら飼える!と思ってしまい購入を決めました。それが4頭目のまるです。

4頭目を迎え入れ、3年が経ち、生活に慣れてきたタイミングで、5頭目のトゥーリを迎え入れることを決めました。密かにブラックのファントムを飼いたかった想いがあり、2020年のひめはるの里の閉園間近に飼い始めました。

上原:約4年で5頭のALを迎えられる環境があることがすごいと思います!さぞ賑やかな生活を送られているのでしょう。

お世話・お手入れなどのトリミング・お散歩について

上原:頭数が増えるにつれ、その分お世話やトリミングなどのお手入れ、お散歩が大変になってくるかと思いますがそのあたりはいかがですか?

神谷:お手入れは、最初は全然できていませんでした。当時は本当に何もわからず、近所のトリミングサロンで、「とりあえずお任せで」とオーダーしたところ、ALらしさが全くないカットになってしまいました(笑)。サロンでは、ALを扱ったことがなかったのですね。

これじゃいかん!と思い、それからひめはるの里に通い詰めましたね。トリミング講習会が開催されていたので、足繁く通い、お手入れ方法などもレクチャーしてもらいました。

それでも教えてもらったことをいざ自分でやるとなると、コツがつかめていないためうまくできず、苦労しました。そんな中でも、いろいろな道具を試し、毎日お手入れを頑張っていると、腕前が上がってくるのが実感できて面白かったですね。自分流のやり方を習得するまでに3~4年かかりました(笑)

今ではかなり腕前が上がっているので、この子たちにはストレスなくお手入れをしてあげていられていると思っています。

また、5頭も飼っていると、お手入れの時間が唯一、1頭1頭と向き合える時間になるんです。この子たちも私たちを独り占めできる時間だと理解しているようで、嫌がらずお手入れさせてくれます。

毛の状態によって変わりますが、トリミングは大体3~4週間に1回行っています。毎月5頭分のトリミング代がかかるので、お金はどうしてもかかってきてしまいます。その分私たちの生活費を削るように頑張っています(笑)

散歩は主人が1日1回がっつりと行います。1頭ずつ散歩させることもありますが、車で近くの公園に連れて行って、5頭まとめて散歩させることが多いですね。そっちの方が効率的ですので(笑)。時間があるときは半日くらい、時間がないときは2~3時間くらいですね。主人の職業が自営業ですので、自分の時間が空いた時に行ける感じですね。

上原:はじめはご苦労なさったと思いますが、徐々に上達していくあたり、まさしく継続は力なりだと思います!

また、お散歩の時間にも驚きましたが、毎月5頭分のトリミング代、それ以外にご飯代や保険代などかかってきますよね。想像しただけでぞっとします(笑)けれどそれ以上の愛をくれるのがALだとも思います。

神谷:その通りです。もちろん大変な部分もありますが、私も主人も、もともと犬に囲まれた生活に憧れていましたので、家中がわちゃわちゃしている感じで楽しく過ごせています。

障害をお持ちの息子さんとALとのかかわりについて

上原:続いて、障がいをお持ちの息子さんとALとのかかわり方、また、ALを飼い始めてからの息子さんや神谷さんご夫妻の変化などについてお伺いできればと思います。

神谷:息子は“アンジェルマン症候群”という、先天性の染色体異常の障がいで、主に重度の知的障がいや、身体障がい、てんかんなどがあります。

ALを飼い始めて大きく変化したことは、“行動範囲が拡がったこと”と、人とのつながりが増えたこと”ですね。

息子だけとの生活ではどうしても行動範囲が限定されてしまいます。それがALとの生活が始まり、ドッグランや散歩に行くことで拡がりました。行った先々では、他の飼い主さんたちが息子にも優しく接してくれて、自然と会話が生まれることで、息子はいろいろな刺激を感じることができているように思います。

また、私自身にもホッとできる時間が生まれました。

外に出て多くの人と関わるようになり、控えめだった息子の性格も少しずつ明るくなってきたように感じます。そのような人との関わりは、ALがいなければ生まれていなかったと思いますし、関わっていただける飼い主さんたちには感謝しかありません。

息子は本能のままに生きています。犬も本能のままに生きていると思います。ALのしつけにおいて、感情だけで動いてはいけないという部分では、息子とのかかわり方に通ずる面があると思っています。

そういった面で他の飼い主さんたちは、息子との接し方を心得ているというかそんな感じです。息子自身も飼い主さんたちとの交流に幸せを感じているように思います。

そして何よりも、私たち夫婦がALに救われたと感じています。息子の子育てに行き詰ったり、悩んだりしたときに、ALたちが愚痴を聞いてくれて癒してくれます。

今思うと、親として障がいを持つ息子を育てていく日々の生活は、ALなしには乗り越えられなかったと思います。ALがいない生活は想像できません。それくらいALには助けられています。

また、高校生の次男もいるのですが、次男は将来、犬に携わる仕事に就きたいと言っています。それくらいALは、私たち家族の生活に欠かせない存在となっていますね。

上原:障がいをお持ちのお子さんを育てていくということは、実際に経験している方でないとわからない計り知れないご苦労があると思います。ALがいたことで、行動範囲も人とのつながりも拡がり、神谷さんご家族を明るくしてくれているのですね。

上原:最後にALを飼おうと思っている方や多頭飼いを検討されている方へ一言お願いします。

神谷:ALは一緒に暮らす上で、様々な面において覚悟がいる犬だと思います。ですので、流行っているからという理由だけでは飼って欲しくはないかなと思います。ただ覚悟を持って飼えば最高の犬種だと思います。人脈(犬とも)も広がるし、楽しい生活が待っていると思います!

上原:本日はありがとうございました。

<おわりに>

5頭のALに囲まれて暮らす神谷さんご一家。お話を聞いて、5頭ものALと暮らすということは時間やお金もその分かかりますが、それ以上にALが神谷さんご家族にもたらす影響はとても大きいものなのだと感じました。「ALがいない生活が想像できません。それくらいALには助けられています。」というお言葉が心に残っています。


※ニチイ学館の犬の繁殖・販売事業、グルーミング事業は、2024年3月1日を以て、レイクウッズガーデンへ承継されました。

教えてくれた人(この記事の投稿者)

上原

日本オーストラリアン・ラブラドゥードル協会 事務局

1991年生まれ。山梨県出身。サッカー、サイクリング、そしてオーストラリアン・ラブラドゥードルとの関わりを通じて人生が彩られている上原です。一般社団法人日本オーストラリアン・ラブラドゥードル協会の事務局として活動しており、オーストラリアン・ラブラドゥードルの魅力を広めるために、情報の発信やイベントの企画、啓蒙活動に携わっています。

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