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日本のオーストラリアン・ラブラドゥードルの歴史【日本編】どうやって日本にやって来たか知っていますか?

オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)は今や知る人ぞ知る、人気の犬種。でも、ALがどんな風に生まれたか、そしてどうやって日本に来たか、その歴史を知っていますか?本記事では、ALの誕生の物語から、日本で現在のように広まるまでの歴史を詳しくお伝えします。この記事を読んだら、ALについてさらに深く知ることができますよ。 この記事は、ニチイ学館でオーストラリアン・ラブラドゥードルの事業を管轄し、自身も10歳のオーストラリアン・ラブラドゥードルと暮らす原田がお伝えします。

オーストラリアン・ラブラドゥードル 誕生物語

オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の歴史の始まりは、ある「きっかけ」でした。現在も引き継がれる、この犬種の“賢さ”や“人懐っこさ”、“アレルギーフレンドリーな特性”、“手触りの良いシルキーな毛質”など、セラピー犬としての資質はこの誕生物語に隠されているのです。

1970年半ば、ハワイに住む盲目の女性が、犬アレルギーの夫でも一緒に生活できる介助犬を探していました。

メルボルンの盲導犬協会で働いていたウォーリー・コンラン氏はその話を聞き、賢くて訓練能力の高いラブラドール・レトリバーと、抜け毛の少ないスタンダード・プードルの交配を提案します。

最初の交配で生まれた仔犬達の被毛サンプルをご夫婦の元へ送ったところ、そのうちの1頭の被毛がアレルギー反応を起こさなかったのだといいます。その仔犬は盲導犬としての訓練を受け、無事にハワイへ渡り、奥様のサポートをすることになりました。

しかし、当時は遺伝子の解明ができず、その後もアレルギーフレンドリーな仔犬を生み出すために試行錯誤が続きました。そして、その後も、慎重な計画に基づいて、何年もの間、品種改良が続けられた結果、現在のオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)が生み出されるようになったのです。

日本でのオーストラリアン・ラブラドゥードルの歴史|はじまりは?

日本におけるオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の歴史は、個人輸入からスタートしています。

本格的な生体の輸出入を行うには、生体系に対する影響への考慮、伝染病の予防、健康と安全の確保などの目的から、厳しい検疫や法規制などがあることが原因と考えられます。そのため、当初は今のようにALを広く広められる状況ではありませんでした。

しかし、この犬種の“賢さ”や“人懐っこさ”、“アレルギーフレンドリーな特性”、“手触りの良いシルキーな毛質”などセラピー犬としての資質は、コアなファンの中では、しっかりと認知され、熱烈なファンを作り出していたのです。

オーストラリアン・ラブラドゥードルを日本に送るための歴史的交渉

オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)は、それまで、一部の人の中で評価されていましたが、超高齢社会の日本で、ALの“セラピー犬”としての活躍の場を思いつき、広めたのが、株式会社ニチイ学館の創業者の故寺田明彦です。

通常の介護サービスの提供だけでなく、要介護者の心を癒せる方法はないかと、いろいろと調べていたところ、寺田氏は、ドッグセラピーがストレスの軽減にかなり効果があるということを知りました。そこで、様々な犬種の中からアレルギーフレンドリーでセラピー犬に向いていると言われているALに着目しました。

そこで寺田氏は、まず、現地オーストラリアのオーストラリアン・ラブラドゥードル協会(ALA)(※) にコンタクトを取りました。2009年とのことです。

※オーストラリアン・ラブラドゥードル協会(ALA):ALを生んだ本国オーストラリアの団体。ALの犬種としての保全、繁殖に関する管理指導を行う。

しかし、日本のペット業界はオーストラリア側に、非常に悪いイメージをもたれていて、最初は話も聞いてくれず、日本への輸出は許可できないと言われました。

それでも、なんとかALAの2名の理事とコンタクトが取れました。そして、超高齢社会の日本の介護業界で、ALのセラピードッグとしての資質を活かしていきたいと訴えたのです。そして、交渉の末、やっとALを1頭、日本に輸入できることになりました。

しかし、たったの1頭では個人輸入と変わりません。ALの優れた資質を日本に広めるためには、本来30~40頭は必要であると寺田氏は考えました。何故、数十頭のALを日本に送れないのか?

動物愛護国であるオーストラリアのALAでは、ブリーディングに関するとても厳しい基準があることが理由でした。日本のペット業界で行われている仔犬の“卸売り”のようなことは禁止されており、繁殖に関しても“パピーミル”(仔犬をどんどん増やす)という行為が行われることを懸念していたのです。

オーストラリアン・ラブラドゥードルの犬舎を日本への懸け橋に

そんな苦労の中、何度もALAと交渉し続けた結果、あるアイデアが生まれました。

それは、ALを育てるオーストラリアの犬舎そのものを譲り受け、その犬舎と日本の犬舎の両方を運営することで、オーストラリア犬舎で生まれたALを、日本に送り、日本との懸け橋にするというアイデアでした。

もちろん2つ返事とはいきませんでしたが、交渉に交渉をかさねた末AL専門犬舎2舎(Sunset Hills・Cloud Catcher)を譲っていただけることになったのです。

けれども、それには条件がありました。

その条件は「1. 犬にストレスにならない環境の確保」「2. 第三者が関わるFCHシステムの導入」「3. 健全な繁殖」を行うことなど。当初の日本の繁殖スタイルとは大きく違うものでした。 ALAから提示された条件を満たす犬舎を日本に建設し運営するには、まず初めに具体的なノウハウが必要でした。

そこで、まず、譲り受けたオーストラリアの犬舎から、ブリーディングに関する様々な知識や犬舎施設・設備、運営方針を学びました。そして、それまでの日本にはない、オーストラリアの犬舎に倣った高規格のブリーディング施設を千葉県に建設したのです。

オーストラリアン・ラブラドゥードル協会の設立と役割

また、日本におけるオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の繁殖を進めるためには、種の保全と管理を担う機関が必要でした。

そこで、オーストラリアン・ラブラドゥードル協会(ALA)の協力を得て、2012年4月17日に日本オーストラリアン・ラブラドゥードル協会 (以下:ALAJ)を設立しました。ALの改良・質の向上、繁殖の厳重な管理を進めること、そしてまた、厳しい倫理規定やブリーディング規定を遵守してALの保護啓蒙を日本で進めることを目的としています。

ALAJの設立により、日本での犬舎の適切な運営が始まり、日本におけるALの繁殖と導入が適切に開始することができたのです。

オーストラリアン・ラブラドゥードルの繁殖活動の歴史

このような長い準備期間を得て、まず、最初の年はオーストラリアの犬舎から約140頭のオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)を輸入しました。

しかし、日本で繁殖活動を進める上で、まず、ぶつかった問題はFCHシステムの理解でした。

FCHシステム (Family Care Home=ファミリーケアホーム)とは、一定条件を満たしたファミリー(里親)にALを提供し、契約期間内においてブリーディング活動に協力いただくシステムです。

犬に対する価値観は個人個人で千差万別なため、貴重な繁殖犬を預けるのに、どのような人に預ければ、よりよい繁殖活動が続けられるのか、最初は手探り状態からスタートしました。

そこで、これまでALを、個人輸入されていたコアなファンの方にご協力をいただいたり、レイクウッズガーデン ひめはるの里でFCHシステムの説明会を聞いて共感をしてくれた方に協力いただいたり、ニチイグループの従業員に協力してもらったりと、草の根活動のように広げていきました。

今では、この先進的なシステムに理解を示す方が全国的に増えていった結果、FCHシステムに参加できない関西や九州など遠方の方からも、近くに犬舎を作ったら是非協力させて欲しいとの嬉しいお言葉をいただくほどになりました。

現在では350組を超すファミリーとともに、健全な繁殖活動を通じて、年間約500頭~600頭の繁殖を行っています。

オーストラリアン・ラブラドゥードルの認知度アップ活動

繁殖活動を本格的にスタートさせると共に、人懐っこくセラピー犬としても資質があるオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)をより多くの人達に知ってもらうために、ニチイグループが運営していた「レイクウッズガーデンひめはるの里」で、ふれあい犬としての活動をスタートしました。

ひめはるの里は、森や芝生そして花や湖に囲まれた自然の中で、ALとふれあうことができる日本で唯一の公園として多くの人々に親しまれました。

ALは、日本の住環境から好まれる小型犬ではなく、中型犬以上のサイズであったため、当初、ALの認知度は低い状況でした。

しかし、レイクウッズガーデンひめはるの里の活動により、ALという犬のもつ癒し(セラピー)の力に魅了された方から少しずつ口コミで広がり、今のように知る人ぞ知る人気犬になっていったのです。
※ひめはるの里は、2020年12月30日をもって閉園しました。

ALの歴史【日本編】まとめ

オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の誕生の物語と、日本にALが広がるまでの歴史についてご紹介しました。

日本でALが見られるようなり、人気の犬種の1つになるまでには、多くの方々の理解と協力など、長い道のりがあったのです。

ALに出会えるマッチングサイト

ニチイ学館の抽選販売サイトでは、毎週、新しいAL達を掲載しています。どんな子がいるかのぞいてみてください。閲覧にはまずは こちら からサイト利用申込が必要です。

教えてくれた人(この記事の投稿者)

原田 一志

株式会社 ニチイ学館 セラピー事業部 シニアマネージャー
日本オーストラリアン・ラブラドゥードル協会 理事

株式会社ニチイ学館で、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)に関する事業に関わり、自身も10歳になるオーストラリアン・ラブラドゥードルと暮らしています。
介護現場での経験もあり、ALのセラピー犬としての癒しの力の必要性を感じています。
趣味は、愛犬と遊ぶことはもちろん、キャンプやジョギングなど、手軽なアウトドアが好きです。

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