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ALのしつけ/飛びつき癖トレーニング

迎えたばかりの仔犬が飛びついて困る!という経験をした方は多いのではないでしょうか?ぴょんぴょんと飛びついてくる姿は愛くるしいですが、そのまま癖になってしまうと大変です。この記事では、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)を販売するレイクウッズラブラドゥードルズのトレーナー、阿久津さんに伺った飛びつき行動の対処法を、ニチイ学館社員犬の元担当トレーナーで、自身も10歳のALと暮らす岡野がご紹介します。

なぜ犬は飛びつくの?犬が飛びつく理由とは

犬が飛びついてしまう理由はいくつかあります。

  1. 嬉しい時
    飼い主さんが帰ってきた時など、玄関や部屋の入り口でぴょんぴょん跳ねるように飛びついたり、散歩中など外で好きな人に会えて嬉しくて、しっぽを振りながら飛びつく。
  2. 興奮している時
    遊んでいる最中に、おもちゃを追って人に飛びついたり、目の前で動く手を追いかけて飛びつく。
  3. 甘え
    遊んでほしい、抱っこしてほしいなど、甘えたい時に、飼い主さんへ飛びつく。
  4. なにかを欲求する時
    サークルから出してほしい時や、手に持っているおやつやごはんが欲しい時、おもちゃが欲しい時など、自分の欲求を通したい時に飛びつく。
    これはおうちに連れて帰ってすぐの仔犬によく見られます。
  5. 怖いと思った時
    散歩中にすれ違ったバイクや他犬などの苦手なものに対し、追い払おうとして飛びつく。

犬が飛びつくのは「飛びつくと良いことが起こる!」「飛びつくと不快なことが解決する!」と学習してしまった結果です。
特に飼い主さんに注意いただきたいのは、仔犬の時に嬉しいときや甘えたいときなどで飛びつかれてしまうと、ついつい声をかけ甘やかしてしまいますが、それが続くと成犬になっても飛びついてしまうようになります。
そのため、仔犬の時から飛びついても良いことはないと教えていかなければなりません。

犬の飛びつきが引き起こす問題や事故

ALは成犬になるとミニチュアサイズでも平均約10kgと中型犬サイズとなります。
飛びつき癖がついてしまうと以下の問題や事故が起こる可能性があります。

人や犬に怪我をさせてしまう

飛びつきにより、他人や他犬に対して怪我をさせてしまうリスクがあります。特に子供や高齢者に対して、体の大きなミディアムサイズやスタンダードサイズのALが飛びついてしまうと、大きな事故につながってしまう可能もあります。
また、興奮してほかの犬に飛びついた結果、反撃されてお互いに怪我をしてしまうこともあります。

足腰への負担や怪我

何度も垂直に飛ぶことは膝・腰にかなりの負担をかけます。特に仔犬のときで、まだ骨が成長中である場合や、体重が標準より重たい場合は、脱臼や変形など大きな障害になってしまう可能性もあるので、注意したいです。
また、着地に失敗して足をひねってしまう事もあり得ます。

飛びつき時に、飼い主がやってはいけない行動

ここでは、飛びつきが癖にならないように、飼い主がやってはいけない行動を紹介します。

逆に言うと、飛びつき癖を抑える方法となります。
実際にしてしまっている飼い主さんやご家族が多い行動だと思いますので、ぜひ注意してください。

愛犬が飛びついてきたら

  • 声をかける
  • 身体を撫でる
  • サークルや玄関などのドアを開ける
  • おやつやおもちゃを与える
  • 目を合わす
  • 近寄る

これらを行わなければ、ALにとって飛びつきはメリットがなくなるため、自然と飛びつき行動が減少していくでしょう。
仔犬の場合であれば、この対策をすることにより飛びつき癖を防止することが出来ます。

既に飛びつき癖がある場合の対処法

もし、すでに飛びつき癖がついてしまっているとしたら、下記の対処をしましょう。

人への飛びつき

・飛びついているときに目を合わせない
 目が合うだけでも、こちらに意識を向けてくれた!と犬にとってはご褒美になるので目を合わせない。

・身体に触らない
 落ち着かせようとつい撫でてしまうが、触ってくれた!と喜んでしまうので、触らない。

NGパターン
OKパターン

・無視をする
 ダメ!と注意をしても、声をかけてくれた!と喜んでしまう場合もあるので、飛びついている間は無視をする。

・1歩下がって避ける
 飛びついてきたら1歩下がって犬を避け、床に4つ足着いたら褒める。

飛びついてきたら、すかさず避ける!
飛びついていない時に褒める

・控えめに褒める
 テンションが上がるような声掛け、撫で方をしないで、なだめるように控えめな声で褒める。

扉、サークルへの飛びつき

・お座りし、アイコンタクトが取れたらサークルのドアを開ける。

お散歩中の飛びつき

・飛びつく対象物が見えた時は、犬の気を引いて注意をそらす。

・リードで行動範囲を狭める。

なによりも大切なのは、お散歩中や飛びつきをやめた『瞬間』など、四つ足が地面についていることを常々褒めることです。
飛びつかず、四つ足がすべて地面についている状態の時の方が褒めてもらえるなどメリットがあると学習できれば、飛びつくことはなくなります。

☆ポイント☆
上記の対処法やトレーニングをしていても、家族によって対応を変えてしまうとトレーニングの意味がなくなってしまいます。
いつでも、家族全員が同じ対応をするように心がけましょう。

飛びつき防止に有効なアイコンタクトとお座りを覚えさせよう

飛びつきを防止するためには、アイコンタクトとお座りを覚えさせることが非常に効果的です。
飛びつきそうな場面で「お座り」の指示を出し、それに従ったらすぐに褒めることで、犬は「飛びつくよりも座ったほうが良いことがあるんだ」と学習します。これにより、飛びつく行動を効果的に防ぐことができます。
特に、恐怖心から飛びついてしまう子の場合、飛びつく対象が近づいてきて緊張していると感じたときには、アイコンタクトをとり、お座りさせることで、犬は落ち着きを取り戻し、飛びつきを防ぐことができます。
アイコンタクトやお座りは、犬を迎えた初期から教えてあげると良いでしょう。犬は、自分にとってメリットがある行動を覚えやすいです。飛びつくよりも良い行動を教えることで、飛びつきの防止や改善につながります。飛びつきにお悩みの方は、ぜひこのトレーニングに取り組んでみてください。

アイコンタクトの詳しいトレーニング方法はこちら

飛びつき癖トレーニング まとめ

犬の飛びつき癖の対策、対処についてご紹介いたしました。
犬の飛びつき行動は、正しい接し方・しつけを行うことで防止・改善することが可能です。
仔犬のときなど早い段階からトレーニングを開始し、また家族で一貫した対応をすることを心がけ、犬にとって飛びつかない方がメリットがあると学習させましょう。

教えてくれた人(この記事の投稿者)

岡野

株式会社レイクウッズガーデン

ニチイ学館の社員犬【ビスケット・ルアー・バニー・オリーブ】の担当トレーナーでした。
自宅では歴代大型犬を飼育し、現在もオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)含む5頭と暮らしています。
休みの日は愛犬と海を散歩したりまったりしたり。
ALとの素敵な生活を提案いたします!

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