オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)を家族に迎えると、毛を伸ばして“もふもふ”にしたくなる方も多いと思います。けれども、毛を伸ばすと、毛玉ができやすく、日々自宅でのブラッシングが欠かせなくなります。
そこで、本記事では、自宅でブラッシングを行う方法、必要な道具、ブラッシングを行うことで得られるメリットなどをご紹介していきます。 本記事は、普段から多くのALが訪れるトリミングサロンFeel Gardenで店長をしている、トリマー歴13年の沢村がご紹介します。
Contents
オーストラリアン・ラブラドゥードルの毛玉対策 準備するもの
まず必要なのは、ブラッシングの道具揃え。オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)を、自宅でブラッシングする際に必要な道具は以下のとおりです。
1. スリッカーブラシ
絡まった毛束や毛玉をときほぐし、ムダ毛や抜け毛を取り除く道具です。
また、公園をお散歩した後、草や小さいゴミがワンちゃんの被毛に絡んでいることがありますが、そんな時にスリッカーブラシを使うと毛の中の混入物を掻き出すことができます。
2. コーム
犬用のコームとは、一般的に細長い刃が一直線に並んだものをいいます。
このコームを使い、スリッカーでブラッシングした後に、ほぐしたもつれや抜け毛を整えます。毛の根元から毛先に向かってコーミングをする道具です。
3. ブラッシングスプレー
ブラッシングスプレーは、もつれや毛玉をすきやすくしてくれます。
ブラッシングスプレーは、ワンちゃんの体質に合ったものをお選びください。
例えば、毛を伸ばしている子には、被毛をコーティングして、切れ毛を防いでくれるブラッシングスプレーがおすすめです。皮膚がカサカサしている子には、保湿成分が入っているものを、皮膚が弱く、普段薬用シャンプーなどを使用している場合は、皮膚に強い成分が入っているものの使用は避け、オーガニック素材のスプレーがおすすめです。
オーストラリアン・ラブラドゥードルの毛玉対策 自宅でのブラッシングの方法
それでは、ご自宅でのブラッシング方法について詳しくご説明します。
ブラッシング手順
- 根元から毛先にかけてスリッカーブラシでブラッシングをしてあげます。
- ブラシが通りにくい時は、毛先から始め、何回かに分けて根元に近づけましょう(ウール、フリース共通)。
- スリッカーブラシの動きが悪く、毛玉やもつれを発見した場合は、そこの部分の被毛を掻き分け、毛玉やもつれ部分をスリッカーブラシで少しずつとかしていきます。この際に被毛の根元を持つと、皮膚にブラシがあたるのを防げると同時に、皮膚のひっぱりによる痛みを防ぐことができます。
- 毛玉ができやすい内股や脇、耳の付け根などに大きな毛玉を見つけた場合は、毛玉を手でもみほぐしてから、2と3を行います。
- 【重要】最後に根元からコームを通し毛玉が残っていないか確認をしましょう。小さな毛玉を防ぐことで大きな毛玉ができにくくなります。
ブラッシング方法の詳細は、動画でご紹介していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
スリッカーブラシの正しい持ち方
親指・人差し指・中指の3つの指で優しくスリッカーブラシを握り、毛の流れの方向によって、スリッカーブラシを持ち替えてブラッシングを行います。
1. スリッカーを、自分に対して横向きにした状態で持つ場合
犬を立たせた状態で、背中の毛をブラッシングするとき、スリッカーブラシは上記のように、横向きにして持ちます。
イメージがしづらい場合は、動画の2:30あたりをご参照ください。
2. スリッカーを、自分に対して縦向きにした状態で持つ場合
脚の毛や、耳裏の毛をブラッシングする際は、スリッカーブラシを上記のように、縦向きにして持ちます。イメージがしづらい場合は、動画の4:24(脚のブラッシング)や、7:48(耳裏のブラッシング)をご参照ください。
ブラッシングする際に、手首が変な方向にいってしまい、やりづらさを感じた場合は、ブラシを上記どちらかの持ち方に、持ち替えてください。
毛玉をとかす際のスリッカーブラシを当てる面について
1. 皮膚にそのままスリッカーブラシを当てる場合
スリッカーブラシ全体の面を使って、毛玉部分に優しくポンポンポンとブラシを当てるようにして、とかしてあげてください。
2. 毛玉部分の毛を掴んで、とかす場合
毛が長い子で、毛玉部分の毛を掴んで毛玉をとかす場合、スリッカーブラシの上段部分や上段両端部分の面(画像の赤い部分)を当てて、とかすようにすると、やりやすいです。
オーストラリアン・ラブラドゥードルの毛玉対策 ブラッシングの頻度や注意点
ご自宅でのブラッシングの頻度や、うまく行うための注意点は以下のとおりです。
ブラッシング頻度
毎日の生活で、小さいゴミやほこりが、”必ずと言っていいほど” ワンちゃんの被毛に絡んでいます。毎日スリッカーブラシを使って、ほこりやゴミを取りながらブラッシングをしてあげましょう。
毎日行うことで、大きな毛玉ができなくなり、ワンちゃんも飼い主さんも衛生的で快適な生活が送れます。
自宅でブラッシングを行う際に工夫すること
ブラッシングの際は、ミニチュアの小型犬などは、飼い主さんの膝の上、ミディアムやスタンダードの中~大型犬の場合は、立たせて行うなど、ワンちゃんが安心してできる場所で落ち着かせてから行いましょう。
ブラッシングは、犬が触られて気持ちのいい部位から始めます。例えば、以下のような部位です。
- 背中や腰
- 胸
- 首の付け根
- お腹
- 足元
よく困る例として、足先を触られるのが嫌いなワンちゃんが多いかと思います。
嫌いな部位を最初にブラッシングしてしまうと、触られるのが嫌になってしまいます、 嫌いな部位は、最後にブラッシングをしてあげる、どうしても嫌がる場合はおやつをあげるなど工夫してください。
オーストラリアン・ラブラドゥードルの毛玉対策 ブラッシングスプレーの使い方
先にお伝えしたとおり、ブラッシングスプレーを使うと、もつれや毛玉がすきやすくなります。
ブラッシングスプレーを使用する際は、顔回りを避け、目・耳・口などに入らないようにし、15-20cmくらい離れたところから被毛全体にスプレーしてください。毛玉や絡まりがある部分には、少し多めにスプレーし、軽く手で揉み込んでからブラッシングしてください。手にスプレーをして、その手でもみ込むのもありです。
しかし、ブラッシングスプレーを多用してしまうと、湿気やベタつきにより、逆にもつれなどを作ってしまう原因になります。適度な頻度・量の使用を心がけるようにしてください。犬は、毎日シャンプーをするわけではないので、しばらくシャンプーをしていない皮膚に、スプレーなどを頻繁に使用してしまうと、毛がべたついたり、絡まりやすくなったりすることが、想像できると思います。
自宅での定期的なブラッシングを行うことで得られるメリット
毎日正しい方法でブラッシングをすることで、ワンちゃんもご家族もすっきり快適に過ごせるようになるだけではありません。具体的にどんな良いことがあるのか?ブラッシングの3つのメリットをご紹介します。
1. 清潔な状態が保持できる
まず、1つ目のメリットは清潔な状態を保持できることです。毛玉やもつれ、必要のない切れ毛やチリ、ほこりなどのゴミを取り除くことができ清潔を保つことができます。
2. 毛質が改善できる
2つ目のメリットは毛質を改善できることです。毎日ブラッシングをすることで、確実に毛の手触りが変わってきます。ウールであれば、とてもやわらかな手触りになり、フリースの場合はフリース特有のシルキーな肌触りを味わうことができます。
3. 健康促進になる
3つ目のメリットは健康促進になることです。ブラッシングは、皮膚に刺激を与え、血行、新陳代謝を促進してくれる効果が期待できます。ブラッシングの際に毛をかき分け、自然に皮膚をチェックすることができるため、皮膚の変化や身体にしこりがないかなど、ワンちゃんの体調変化を早期発見することにも繋がり、健康管理に役立ちます。
ブラッシングを怠るとどうなる?
正しい方法と頻度でブラッシングを行わないと、毛玉になり、ブラッシングで痛い思いをすることになるので、ブラッシングが嫌いになってしまいます。そのため、ブラッシングのたびに、飼い主さんも大変な作業をすることになり、その結果、ブラッシングの頻度が減り、そしてさらに毛玉がひどくなってしまうという悪循環になります。
また、毛玉を無理にとくことでスリッカー負けや内出血などケガのもとになるなど、負のスパイラルを起こしてしまいます。 さらに、それを放置してしまうと、全体がフェルト状の毛玉になり、不衛生な状態になることで、思わぬ皮膚疾患が発生することもあります。
こうなると、バリカンで短く刈ってあげるしかなくなってしまいます。そうなる前にブラッシングは、こまめにしてあげることをおすすめします。
ブラッシング方法 まとめ
今回は、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)の自宅でのブラッシング方法や必要な道具、メリットをご紹介しました。
「手間がかかるなあ」と感じた方もいらっしゃると思いますが、愛犬とのコミュニケーションの時間と考えれば、毎日のブラッシングも楽しく行えるのではないでしょうか?慣れるまでは、試行錯誤があると思いますが、慣れてしまえば貴重な時間になるはずです。
綺麗なふわもこALは本当にかわいいです。“ふわもこは1日にしてならず“この言葉を念頭に、毎日のブラッシングを楽しんでください。
※ニチイ学館の犬の繁殖・販売事業、グルーミング事業は、2024年3月1日を以て、レイクウッズガーデンへ承継されました。