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もうすぐ暑い夏がやってきます。私たち人間にとっても厳しいこの季節、ふわふわ、もこもこなオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)にとっては、さらに過酷な時期です。特に被毛が豊かなALにとって、熱中症や皮膚トラブルなど、夏ならではのリスクがいっぱい。そんな大切な愛犬を守るためには、適切な対策と便利なグッズを活用することが重要です。この記事では、ALが快適に夏を過ごせるようにするための実践的なアドバイスと、おすすめの便利グッズをご紹介します。皆さんの愛犬が元気に夏を乗り越えられるよう、ぜひ参考にしてみてください!この記事はニチイ学館社員犬の元担当トレーナーで、自身も10歳のALと暮らす岡野が書いています。
Contents
夏に気を付けること
1.暑さによる病気やケガ
熱中症
春から初夏にかけては、犬の体が暑さに慣れていないため、熱中症にかかりやすい時期です。特に、5月以降の25度以上の夏日が続くと、熱中症のリスクが急増します。アニコムが実施したアンケートによると、散歩中やドッグランなどの屋外だけでなく、リビングなどの屋内でも熱中症が発生しています。
①熱中症の発生条件
熱中症が最も多く発生する条件は、12~15時のお昼過ぎの時間帯で、気温が25~30℃の日です。25℃というと人間にとっては少し暑い程度の気温ですが、毛皮を着ている犬にとっては十分に危険な温度です。
②室内での熱中症リスク
リビングなどの屋内でも、ペットだけでの留守番中よりも、家族が在宅している時に多く発生しています。成犬の適温は15~21度といわれるため、飼い主が快適に感じている室温でも、愛犬には暑すぎることがあります。室温管理に注意が必要です。
③熱中症の初期症状と危険な症状
熱中症の初期症状としては、以下のものがあります。
- パンティング
(ハッハッと激しく口呼吸する) - 心拍数が早い
- 体を触ると熱い
- 口の中や舌の色が赤い
- よだれが多い
- 動きたがらない
危険な症状が現れた場合は、即座に対応が必要です。
- ぐったりしている
- チアノーゼ
(口の中や舌の色が青紫色になる) - 嘔吐や下痢
さらに進行すると、意識消失、発作、口や鼻、肛門からの出血などが見られ、最悪の場合死に至ることもあります。
④熱中症の応急処置
初期症状が現れた段階での応急処置は以下の通りです。
- すぐに日陰や涼しい場所に移動させる。室内や車内ならエアコンを効かせて涼しくします。
- 首、脇の下、鼠径部(太ももの付け根)などの太い血管が走っているところに保冷剤を当てて体を冷やします。
- 体に常温の水をかけ、扇風機などで風を当てるのも効果的です。
☆ポイント
・犬の体温は肛門から測定した直腸温で小型犬では38.6~39.2℃、大型犬では37.5~38.6℃くらい。40.5℃を超える場合高体温状態と考えられます。日ごろから体温を測っておき、平熱を把握しておくと安心です。
・体を冷やす際、氷水をかけると血管が収縮し体温が下がりにくくなります。
・黒い毛色の犬は熱を吸収しやすいため、毛色の濃いALはより注意しましょう。
参考資料:アニコム
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肉球のやけど
真夏のアスファルトの温度は、なんと60度近くになることもあります!素足で歩いている犬にとっては、熱々のフライパンの上を歩いているのと同じくらい過酷な状況です。
①肉球のやけどの症状
肉球がやけどすると、次のような症状が現れます。
- 歩くことを嫌がる
- 肉球に赤みや黒み
- 肉球に腫れや水疱
- 過度の足舐め、足かじり
- 肉球がカサカサ・ひび割れしている
- 肉球の間が赤くなる
ひどい場合、皮がめくれ真っ赤に爛れたり、出血を伴うこともあります。
②やけどしてしまったら
もし、肉球がやけどしてしまったらすぐに流水で患部を冷やします。
直接水がかかると痛みを伴う場合は、冷水をためた桶に患部を浸してしっかりと熱を取りましょう。
十分冷やした後、ワセリンを肉球全体に塗りガーゼで覆ってから動物病院を受診しましょう。
③お出かけの時間に注意
アスファルトは熱を蓄えやすいため、日が暮れてもなかなか冷えません。お散歩に最適な時間帯は、日暮れから3時間以降、日の出から3時間以内が理想的です。
この時間帯を選ぶことで、地面が熱くなりすぎるのを防ぐことができます。
④地面の温度を確認
お散歩に出る前に、地面を手で触って熱くないかチェックすることをおすすめします。手のひらで地面を数秒間触れ、その温度を確認してください。これにより、犬の肉球がやけどしないかどうかを判断できます。
⑤適切なルートを選ぶ
お散歩の際には、なるべく土が多い場所や日陰を選んで歩かせましょう。また、マンホールなどの金属部分は非常に熱くなるため、避けるように誘導してあげることが大切です。涼しい道を選び、愛犬の足を守りましょう。
2.紫外線による影響
紫外線は犬の「角膜」「水晶体」「網膜」に影響を及ぼすため、強い紫外線を浴びると角膜炎や白内障のリスクが上昇します。特に、1日の中でも10~15時頃は紫外線量が多い時間帯です。このため、暑さだけでなく紫外線対策としても、早朝や夜の散歩をおすすめします。
また、シングルコートで毛色が薄い犬は紫外線の影響を受けやすいと言われています。
目、鼻、口まわり、耳の先、耳の中、お腹、内ももは被毛によるガードが少ないため、紫外線の影響を受けやすいので特に注意したい箇所です。
紫外線対策は全ての犬が行うべきですが、特にゴールド系やクリーム系のALは注意した方が良いといえます。
夏の暑さ対策
1.サマーカット
暑さ対策としてぜひ取り入れたいのが、サマーカットです。しかし、サマーカットと言っても皮膚が透けて見えるほど短く切りすぎてはいけません。
被毛には紫外線や外傷などから皮膚を守るという大切な役割があります。極端に短くしてしまうと、皮膚が直接紫外線にさらされて日焼けしてしまったり、地面や植物のトゲなどで怪我しやすくなったりと、リスクが上がってしまうのです。
また、被毛には断熱効果もあるので、短すぎると体温調節が難しくなることもあります。
おすすめは3〜4cmほどの長さを残してカットすること。これなら、ALらしいふわふわもこもこ感を維持しながら、涼しくてお手入れもしやすいスタイルになります。
2.接触冷感素材の服
フルコートのALやせっかく伸ばしている被毛を切りたくないという方も多いでしょう。そのような場合には、接触冷感素材でできたドッグウェアを活用してみてはいかがでしょうか。
接触冷感のドッグウェアは、水に濡らすとひんやりするタイプもあり、保冷剤を入れることができるベストなどもあります。これらのアイテムを使うことで、愛犬が快適に過ごせるようになります。
また、洋服などが苦手な子には、保冷剤を入れられるバンダナもおすすめです。どちらも暑い夏の日に愛犬を涼しく保つのに役立ちます。
3.靴
夏場の熱い地面を歩くと、愛犬の肉球がやけどしてしまうことがあります。肉球がやけどしてしまうと、回復までに時間がかかり、酷い場合はその間お散歩に行けなくなってしまうこともあります。
さらに、突然の夕立などの雨に降られても、靴を履かせていれば足がびしょびしょになることを防ぐことができます。肉球の間が濡れたままだと、雑菌が繁殖し、指間炎などの炎症が起きてしまう可能性もあるため、靴を履かせて濡れることを防ぐのは理にかなっています。
靴を履かせることで、愛犬の足を守り、健康を維持するだけでなく、快適な散歩を楽しむことができます。靴を選ぶ際には、サイズや素材にも注意し、愛犬にぴったりの靴を選んであげましょう。
夏の紫外線対策
1.帽子
最近では、犬に帽子を着用させるオーナーが増えています。犬用帽子はファッションアイテムとしてだけでなく、直射日光から頭部を保護することで熱中症のリスクを軽減し、また帽子のつばによって日光を遮ることで目の健康を守ることもできます。
素材はカラフルな布製や、紫外線カット率の高い麦わらを使用したものなどがあります。
サンバイザータイプ、キャップタイプ、キャンプハットタイプなど、各メーカーから様々な帽子が販売されていますが、購入する際にはサイズとフィット感をしっかりとチェックすることをおすすめします。帽子がきつすぎたり緩すぎると、愛犬にとって不快なだけでなくストレスの原因にもなります。素材は通気性が良く、柔らかい肌触りのものを選ぶと、愛犬の肌に優しく、嫌がりにくくなります。
帽子を着用させる際には、洋服や靴と同様に、いきなり着用させるのではなく、着用の練習をして徐々に慣れさせていくことが大切です。
時間をかけて段階を踏んで慣れさせてあげましょう。
2.サングラス
人とは異なり、犬の目には地面から跳ね返る紫外線が直接当たります。この紫外線が続けて当たると、白内障などの目の疾患にかかるリスクが高まります。
普段のお散歩では必ずしも必要ないかもしれませんが、海などの水辺に行く際や長時間日光の強い場所にいる場合には、犬用のサングラスを使用することをおすすめします。
サングラスは、顔にはめるタイプのみでなく、帽子につけるタイプもあるので、帽子と併用することも可能です。
サングラスの着用練習についてはこちらをご覧ください。
ALの夏の対策と便利グッズまとめ
ALの夏の対策と便利グッズについてご紹介いたしました。
夏は熱中症ややけど、紫外線から大切な愛犬を守らなければなりません。 お散歩の時間帯に気を付けたり、それぞれのわんちゃんにあった便利なグッズを暑さ対策に取り入れ、楽しく安全な夏を過ごせることを祈っています!